Turkic language family

超越形・中立形
      Aorist



トルコ語には、超越形(アオリスト、中立形)という動詞の活用があります。

時制を規定するものではなく、真理や習慣を表します。

格言にも使われます。

Acele işe şeytan karışır
急ぎの仕事に悪魔が口を出す

会話において強調、断定を示すこともあります。

Teşekkür ederim.
ありがとうございます。
動詞、etmek 「する」 の超越形が使われています。


超越形のつくりかた


超越形は、動詞の語幹に、-ir/-er/-r を接続するのが基本です。


  • 語幹が、母音で終わっている場合には、-r をそのままつけます。
  • 語幹が、-l または -r で終わっている場合には、-ir4 をつけます。i の部分は、母音調和します。
  • 語幹が、単音節の場合には、-er/-ar をつけます。この場合、最後の母音によって、母音調和することに注意してください。
  • その他の場合、語幹が単音節ではなく、子音で終わっている場合には、-ir4 をつけます。



ただし、-l/-r で終わる単音節の単語には、-er/-ar が接続する場合があります。


   çalmak 「打つ」 dolmak 「満ちる」 ermek 「達する」 girmek 「入る」 gülmek 「笑う」 kırmak 「壊す」 
   kurmak 「樹立する」 sarmak 「包む」 sürmek 「経過する」 sormak 「尋ねる」


さらに、-n で終わる単音節の動詞に、-ir4が接続される場合があります。


   denmek 「言われる」 yenmek 「食べられる」 konmak 「置かれる」 sanmak 「思う」


このようにしてできる基本形(3人称単数形)に、人称語尾をつけて活用します。

bilmek 「知る」 動詞 超越形

単数複数
1人称ben  bilirim

biz  biliriz

2人称sen  bilirsin

siz  bilirsiniz

3人称o  bilir

onlar  bilirler



超越形の否定形


超越形の否定形は、語幹に -mez/-maz を接続します。

O öyle şey yapmaz.
彼はそんなことはしない。

超越形の疑問形


超越形の疑問形は、超越形の基本形(三人称単数)を使い、mi4 という疑問詞で表します。

3人称複数の場合には、超越形の基本形に、複数語尾 -ler/-lar をつけます。

Olmaz olur mu?
OKでないことがあるか(=OKだ)