Indo-European language family

ヒンディー語の「タ」
      Letter T in Hindi




デーヴァナーガリー文字

ヒンディー語は有気音、無気音の区別があります。

反り舌などもあり、ट ṭa(反り舌無気音)、ठ ṭha(反り舌有気音)、त ta(無声歯茎破裂音、普通のt)、थ tha(有声歯茎破裂音)はすべて日本語での「タ行」を表します。

ローマ字化で紛らわしいのは、有気音を表す थ tha です。

デーヴァナーガリー文字を無理やりローマ字で表そうとするため混乱が生じています。

有気音は歯摩擦音ではありません。

これは発音記号で [ʈʰ]、[t̪ʰ] で表される音であって決して発音記号で[θ]である英語の th ではありません。

しかしながら थ tha が th で表されるため、[θ] が [t̪ʰ] へ変換されてしまっています。

th [θ](英語)→ th(ヒンディー語ローマ字表記)→ थ [t̪ʰ] tha(別の音を示すデーヴァナーガリー文字)

bathroom [ˈbæθɹum] は本来なら [θ] の発音ですが、ヒンディー語では बाथरूम [bɑːt̪ʰ.ɾuːm] で表記され、文字通り [t̪ʰ] 発音されます。

そもそもデーヴァナーガリー文字では th [θ](英語)なる歯摩擦音を表す文字はありません。

でもやはりバスルームがバトルームで表記されてしまうのは、無理やりローマ字を使うことの弊害ではあるでしょう。