Austronesian language family
概要
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フィリピノ語(タガログ語)は、フィリピンの公用語で、ローマ字で表記します。
発音的には開音節が多く、日本語の発音に近い面があります。
フィリピノ語は、述語が主語に先行するという、非常に興味深い言語です。
Erica ang palayaw ko.
直訳: Erica my nickname is
フィリピノ語はオーストロネシア語族に属する言語で、インドネシア語と共通する語彙を持ちます。 lima (5), mata (eye), ito (this, ini in Indonesian) など。ただし、インドネシア語は SVO であり、文法的にはかなり異なります。
フィリピノ語の格
フィリピノ語の格の概念は独特です。ANG形、NG形、SA形と分類します。
フィリピノ語のNG形は、一般に所有・所属を表しますが、場合によっては naman ng, pwede ng, や動詞など、主部、述部を表す場合があり、所有格とは違う概念を表すと考えた方が分かりやすいでしょう。
ANG形は、「主語のマーカー」として、続く語が主語扱いとなります。定冠詞としての働きも持つため、アラビア語の定冠詞に近い役割を果たします。フィリピノ語は、歴史的にアラビア語の文法の影響を受けており、動詞が派生形をとり、VSOの文型をとるなど、アラビア語の文法に似た側面があります。
May sulat sa inya si Erica.
直訳: I have a letter for you of Erica.
フィリピノ語の小辞
フィリピノ語には、日本語の助詞に相当するような、小辞というものがあります。
偶然にも、日本語の助詞と同じものがあります。
フィリピノ語では、(母音とn以外で終わる)形容詞に、「な」をつけて非修飾語に接続します。
po という、丁寧さを表す小辞もあります。日本語における「御」のように使います。
Thank you po.
サンキュー・ポ
「Thank you.」
Ekskyus po.
エクスキュース・ポ
「Execuse me (us).」
名詞から動詞へ
フィリピノ語では、mag- (マッグ)という接頭辞(行為者焦点の接頭辞)をつけることによって、名詞から動詞を作ることができます。taksi (タクスィ、タクシー)という単語は、magtaksi (マッグタクスィ、タクシーに乗る、不定相)という動詞にすることができます。この動詞の派生形は、nagtaksi(ナッグタクスィ、完了相), nagtataksi(ナッグタタクスィ、未完了相), magtataksi(マッグタタクスィ、未然相) となります。行為者焦点の接辞には、ほかに ma-, mang-, -um- などあります。
Sige, magtaksi na lang tayo.
じゃあ、タクシーでも乗っていこうよ。
magkape (コーヒーを飲む)というのもあります。