カンボジア語の概要
カンボジア語(クメール語)は、カンボジア王国の公用語であり、約1600万人が話す言語です。長い歴史と伝統を有するクメール文化の中核を成す言語で、カンボジア文字(クメール文字)を用いて表記されます。
オーストロアジア語族に属し、ベトナム語やモン語と系統が近いです。
非声調言語であり、タイ語やベトナム語とは異なり声調の区別がありません。
文法的には分析的で孤立型の構造を持ち、語形変化はほとんどありません。

クメール文字はインドのブラーフミー文字から派生したアブギダで、非常に複雑かつ美しい構造を持ちます。
子音の種類に「A子音」と「O子音」があり、子音の種類によって、同じ母音でも発音が異なります。
k の場合: កា [kaː ](A子音字) គា [kiˑə ](O子音字)
さらに、子音が重なる場合、下に付ける「脚」と呼ばれる字形を使用します。
多くの発音記号や記述規則があり、表記から音声を推測するには高度な理解が必要です。
ハングルに似て、語頭と語尾で発音が異なる子音も存在します(例:d→t、s→h、r→無音など)。
クメール文字カルタ(CAMBODIA DESIGN WEB)で「カンボジア」と書いてみました。

ケースも作ってみました。3D プリンターがあれば印刷できます (Small Card Organizer )。

カンボジア文字
面白いのは、カンボジア語の語順は徹底して日本語のものと逆で、主語は文の先頭にくるものの、SVO文型をとり、前置詞があります。
形容詞は被修飾語の後に来ます。つまり、「日本から」という場合に、ピー(~から)+スロック(国)+チャポン(日本)、の順番になります。
カンボジア語には、名詞の格変化や動詞の活用などはありません。
「この大きなカバン」であれば、ヴァリヒ(カバン)+トム(大きな)+ ニヒ(この)、の順番となります。